2015/4/29 そこで生きる

太陽の恵みも燦々と降り注ぎ、休日の方々にとってはいい行楽日和。
大きく深呼吸をすると新緑の香りが何処からともなく漂ってくる。

苗として小さな頃から保護され、栄養のある恵まれた土地で適度な肥料や水を与えられ、害虫が付くと駆除される。
そんな星の下で育つ木もある。
中にはやっと芽をだしたと思えば、踏み潰されてしまう木も。
又、人知れず育ち、いつの間にか大木となり、崇められる木もある。

僕は今20本近い紅葉を育てている。
紅葉と言えば秋に色付く赤い葉をイメージする事の方が一般的なのだろうが、僕は瑞々しい新緑の葉がじつに美しいと感じる。
去年頂いた紅葉は、暫く鉢植の状態で育てていた。
ところが葉の色や形が元気のないフォルムとなり、僕の目指すものとはかけ離れていった。
そこで、土を入れ替え地植えをする事にした。
お陰で今年は随分勢いのある葉が芽を出してくれている。
環境のせいにはしたくないが、やはり植物にとって環境は多いに影響してくる。
新しい葉を出す瞬間がこんなにも嬉しいと感じている自分が不思議で仕方ない。


ある程度見映えよく育ったら、誰か欲しがる方へ委ねるのが僕の夢だ。
そして、数年後どんな風に育ったのか。
一緒に楽しめると楽しいのだろう。などと妄想してみたりする。

「育った紅葉を眺めながらの焼酎」
僕とその人はお互いに紅葉を眺めながら、時間が経過したことを改めて実感する。
紅葉が育つ事に喜びを感じる。
同時に僕らの身体は年老いて行く。

なんとも贅沢な嗜みではないか。


そして、彼らが生きる世界は色んなことを教えてくれる。

雑草が生い茂る場所もあれば、綺麗に整地され芽を出せば、直ちに処理される場所もある。
雑草が耐えて耐えて伸びようとしても、伸び過ぎると根から抜かれてしまう世界もある。

自分は大木となる木なのか、はたまた雑草の類いなのか…

生き延びる事の出来る場所は明らかに違うことを、僕らは知る必要があるように思える。

久々登場  チボ
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