2015/6/16 作品への敬意

敬愛するミュージシャン。
その新しいアルバムが間も無く発売されるとの吉報。凡そ6年振り。
そして、ツアーに来てくれる。
彼等を拝む事が出来るのは環境的な課題を克服しない限り、あと何回なのだろうか…

ホームページを覗くと彼等の作品に対する揺るぎない自信がビシビシ伝わってくる。
嬉しい事に僕がカバーしたことのある曲がバンドで収録されている。
どんな仕上がりなのだろう…

New album の発売日を待つあの感覚、ああ待ち遠しい。

その昔、友人から叱られたことがある。
時はレコード全盛期を過ぎ、コンパクトディスクの時代に突入。
その後世の中にはパーソナルコンピューターが普及し始めた。
そいつはいとも簡単に音楽の詰まったCDを複製することができるようになっていた。
CDが手軽にコピーできる時代になり、貧乏でケチな僕は友人へあるアルバムのコピーを無邪気にお願いした事があった。
その友人は、
「それは絶対にしない!」と怒った。
その後彼は、そのアルバムに収録された曲と他のミュージシャンの曲がランダムに入ったCDを数枚焼いて僕にくれた…

そう、
自分の魂を削りながら作った作品。
そのアルバムの売上で音楽活動を何とか継続しているミュージシャン達。

その行為を間近で見ていた彼は、まんま複製する事に強い抵抗を感じていたのだ。

僕は猛反省した。

作品に対する思い、それを創りあげるまでに犠牲にしてきた時間。
想像を絶する。
そしてその作品に、感動したり、鳥肌立ったり、癒されたり、テンション上がったり、涙流したりする人達…

作品を無償で手に入れる事の繰り返しは、彼等の活動を脅かす環境を提供することに繋がる。
それは、自分や子供達から心が突き動かされる世界を奪う事を意味している。
それは、何ともツマラナイ売るために作られた商業音楽しか世の中に出てこない、魔のサイクルを作る事に自分自身が加担する事になる。

彼等のような本物のミュージシャンが活動を継続できる世の中を模索している者としては大失態であった。

それ以来僕は、自分で聴きたい音楽には対価を払うことにしている。

無料だったらいい、
他の店より安ければいい、
ポイントが溜まればいい、
他人より得ならいい、

本当にそうかな…
次に起きうること、誰がどんな力を持つのだろうね…

失態に繋がらなければよいけど。

教えてくれてありがとう。
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