2015/12/8 本心が見える月

12月はイマイチ好きになれない。
どんよりしていて慌しい空気が蔓延している。
そんな印象が半世紀以上も僕の中を巡っている。
この世界を経験した事のない人には到底理解出来ないと事だと思っている。
トイレに行く時間を惜しむほど時間に追われる世界。

今はそんな境遇にはないものの、このグレーと白の中間のような空と冷たい風が吹き始めるとあの頃の楽しいとは言えない記憶が蘇り、何だか不思議と気持ちは沈んで行く。

そんな気分の夜明け前にチボが起こしに来た。
寒い夜に恒例行事化している「布団に入れて!」って合図。
冷たい肉球で僕の額をペシペシ叩く。
布団をはぐると頭から侵入してきて180°向きを変え、僕の腕を枕がわりにグウグウ始める。

普段妻にしか甘えて行かないチボがこの時だけは必ず僕を頼ってくる。
それがまたたまらなく可愛い。
ベッドの隅に追いやられ、手が痺れたとしても、可愛いさのおかげで我慢できる。

12月の嫌な記憶が、こんな優しい記憶で上塗りされて行くといい。

こいつはいつも僕にベッタリのキュウちゃん
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