2015/11/9 血と肉を作りに

日本のポップス界に君臨するビッグネームと対バンとなった僕の心の師匠達。

その晴れ舞台を確認するべく会場へ足を運ぶ。

会場では明らかなアウェイ感を味わうが、まぁ想定内。

満員の会場の一番後ろに陣取り全てを記憶に取り込む。

師匠達の演奏が始まった。

驚くことにウェルカムな雰囲気が場内を立ち込めている。

なんとも暖かいオーディエンス。

MCは完璧にウケている。

その雰囲気を師匠達も感じていたのだろう、和やかな中に声援に応えようとする演奏の繊細さがビンビンに伝わってくる。

暫く目を瞑り、耳だけに神経を集中させる。

やはりこの音を耳にすると涙腺が緩む。

途中機材の入れ替えの間ロビーでビールを頂いていると、イベント会場で良く耳にする声。

著名なイベンターの方が隣にいたので声をかけてみた。

彼は僕らにフレンドリーに接してくれた。

そして何度も「1回しかないけんね！」と連呼してその場を去って行かれた。

多分「命」の話しだろうと解釈する事にした。

ビッグネームの演奏が始まった。

ボーカルのポテンシャルが素晴らしい。

彼の誠実さが演奏やオーディエンスから作られる空間に全て凝縮されていた。

彼が途中MCでこんな事を喋っていた。

人の身体は食べた物で作られる。

何を食べたかで違いが生まれる。

音楽も何を食べたかで人が作られる。

最後の一曲を残して僕らは会場を後にする。

今日が血肉になればいい。