2015/3/21 記憶

世間は人事異動のシーズンらしく、身近な人もあちこちへ異動の話がちらほらと耳に入る。

昇進や降格に引越しや進学。

皆んな春からの生活に変化が訪れるようで、多少羨ましくも思う。

そんな季節に僕は呑気に庭の花を植え替えたり、主婦に混じって終園式に参加したりと、穏やかでなんとも贅沢な日々を送っている。

夜は我家へ娘の誕生日をお祝いに妻の両親と姉妹が来てくれた。

その席で親父さんからこんな質問をいただいた。

「今までに訪れた土地でもう一度行きたい所はあるか？」

と言った質問だった。

暫く考えたが、特にない自分に気づいた。

更に暫く考えたら、妻と初めて行った海を思い出した。

そこは海水浴の出来る海岸だったが、砂浜が全くない。

代わりに石や貝殻で埋め尽くされていた。

しかし、もう一度行きたくても場所が分からない始末。

何処かに旅をする。

僕は場所より同行者との思い出の方が記憶に残っていることに改めて気付かされた。

またあの海に行ってみたい。