2016/4/12 黄色い帽子

娘の入学式だった。
なんだか親の方が落ち着かない。
娘はただただワクワク感に支配され、はしゃぎ過ぎている感満載だ。
早々とランドセルをからい、楽しみで仕方ないのがビンビンに伝わって来る。

学校まで歩いて行く途中、二組の外国人家族と遭遇、「グローバルな時代やなー」と改めて環境の変化を実感したり。
僕達が小学生の頃とは随分事情が変わっていたり、昔から何も変わっていない部分も感じたり。

教室で娘は早くも友達を作って楽しげな感じ。
アウェイを一瞬のうちにホームに変える力を存分に発揮していた。
おそらく我家で最も社交性を身につけているのは娘だと確信する。

帰宅後娘は一人部屋にこもり何やら…
今日出来た友達に手紙を書いていたらしい。

「友達になってくれてありがとう」

と書かれていた。

そんな事を人に伝える事が出来るようになっていることに、なんだかジンときた。

可愛いらしさばかりの幼稚園から、小生意気な小学生に…

僕は焼酎を飲みながら、
妻は幼い頃の写真を見返しながら、
なんだかちょっとだけ寂しい気分に包まれていた。

今朝も娘は一番に目を覚ました。
嬉しさを隠しきれないと言わんばかりに、軽快なステップを踏み、鼻歌を乗せてリビングと洗面所を何度も往復する娘。
「早く学校に行きたーい」
僕にはそう叫んでいるように見えた。

隣に住む同級生が家を出てくると、バタバタと靴を履き、「行ってきまーす」も言わずに振り返ることなく登校していった。
今迄、娘を僕の視界から消える所に一人で行かせたりしなかった事が不思議に思えた。

娘の姿が見えなくなった後、膝の上でグウグウとくつろぐキュウを傍に下ろして表に出てみる。

眩しい陽射しに物欲しげな様子の植物達に水を撒くと、朝日が水滴を返して緑の上でキラキラと輝いている。
去年は腰の辺りだった紅葉も今は胸の辺りまで成長し、ようやく葉が出揃ってきた。

時は流れると言う事を噛み締めながら。

気を付けて、いってらっしゃい。
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