2015/7/5 タラレバだね

あるminorityな日本のロックバンドを長い間敬愛してきた。
色んな人へ彼等を勧めてみたり。
彼等の曲をコピーしまくったり、多くの場面で披露もしてきた。
所謂、新手の広告塔。

しかし…
人の多くはそんな事には興味もなく、聴いてみようともしない。
そんなもんかね…
それが、僕の多くを象徴している様に思える。

誰もが賞賛するものは、僕がいちいち賞賛する必要もないからね。


そんな苛立ちを抱えながら、早朝から部屋にこもってギターをいじる。
でも、実は苛立ち以外の感情もあったように思う。それは…

昨夜仕事から帰宅すると、娘から「ピアノを弾こう」って誘いを受けた。
二人で僕の部屋に入り娘はピアノ、僕はギターを抱えた。
娘がチューリップを弾き始めたので、それに合わせてギターを弾いてみる。
娘の集中力を確認した僕は、一つのコードを右手で叩き、左手でベース音を叩いてリズムを取るミッションを娘に与えた。
最初は間違わずに鍵盤を叩くことで精一杯の様子だったが、徐々に頭を横に振りはじめ軽快なリズムが出て来た。
そいつにギターを入れてやる。
やはり集中力は本物だった。

無理矢理、強要する事を極力さけ、彼女の意思を尊重する。
放任ではなく、彼女の感情のありかを探り時間を共にする。

暫くループして娘は部屋を出ていった。それでいい。

一人になった部屋で僕は僕のミッションに突入。

ミッションを終えリビングに下りていくと、妻から「ギターの音良くなったね!」と突然言われる。
なんとも嬉しかった。
お世辞や社交辞令や親バカなどの至ってパーソナルな意見を絶対に言わない彼女の一言はデカイ。

ほぼ毎日僕のギターの音を聴いている人から改めて「いい音だね」って言われることの、何とも言いようのない充実感。
そんな余韻もあって早朝ギター。
調子に乗って動機付けられる点はすこぶる簡単な性格なんだと思う。

絶賛攻略中のリフを身体に入れる。
それはまるで刺青を彫るように、無意識を手に入れるまで、何度も何度も繰り返す。

子供の頃、こんな環境があったら…
などとタラレバを思わない日はない。
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