2015/6/6 オモチャ

娘用にミニギターの購入を考えていて、街の楽器屋に行ってみる。
数軒回るがお目当の品がなく、最後の1軒に希望を託す。
そこには赤色と白色のミニギターが展示してあった。
手に取ってみる。
楽器としての出来栄えは明らかに白色の方がいい、しかし娘が選択したのは赤色の方だった。
おそらく、ビジュアルが気に入っての事だろう。
まぁ本人が気に入った方が良いだろうと考え、赤色のギターを試奏させていただくことにした。
店員の方にお願いし、アンプに繋いでチューニングするが合わない。
随分格闘していたが、音が合う気配がない。
試奏しようと試みるが…
身体が拒絶反応を示す。
このギター弾いてたら耳がおかしくなる事を按じ、娘を説得する。

続いて白色のギターを試す。
チューニングは赤色と比較すると全然安定している。
ネックの握りもまぁシッカリ。
しかし試奏しているうちに音のビビルポジションを発見。

暫く考えたが…
やはり、楽器ではないと言う結論が僕の頭を埋め尽くしたため、店員さんに御礼を言い店を後にする。

縁がなかった。

自分が弾く楽器の音は、自分の耳や身体のニュアンスを作って行く。
妥協して手に入れた楽器だと、妥協した耳しか育たないように思う。

その昔、安い賃金でアルバイトをして、ようやく貯まったお金でギターを手に入れた。
それは、当時の僕にとってはとても高価な買い物だったが、僕が購入したのは所謂B級コピー品。
本物は5倍以上の値段だったので、考える余地すら持っていなかった。
それでも、僕は嬉しくて毎日毎日弾いていた。

それから随分時が経ち、本物を手に入れる事が出来た。
その時感じたのは、全く違う楽器だと言うこと。
時間を戻して当時の自分に助言する事が出来るのであれば、「借金してでも本物を買いなさい」そう伝えるでしょう。

最近ではとても安価なギターが沢山店頭に並んでいる。
でも、握ったらわかるようになってきた。
弾いていいギターと触ったらダメなギターの違いが。

娘には可能な限りいい音を経験させてあげたい。

本物の頭
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