2015/5/30 別物

表現力の未熟さは、ジワジワと腹の奥に効いてくる。
才能とか努力とか鍛錬や稽古にセンス、筋トレ、ボイトレ…
どの言葉を適用しても当てはまらない状態と向き合うってか。

所謂ロックバンド。
凄まじい演奏力、表現力、その他諸々で一流のパフォーマンスを堪能させていただく。
贅沢な面子で繰り広げられたステージは即席のバンドとは思えないクオリティが会場をヒートアップさせていく。
正真正銘のプロフェッショナルでした。

全然違う。別物。
時間が経つにつれて自分達と比較するようになる。
何が違うのだろうか…
使っている機材や楽曲にさほど違いはないのだが、天と地、大人と赤ちゃん程の明らかな違いがそこにはある。

彼等を本物と呼ぶなら、僕等は紛れもなく偽物でしかない…
自分自身を偽物と認める悔しさは格別にしんどい。

彼等に比べれば僕等は学芸会で演奏する類いのガキの戯言に毛が生えた程度の音。
その自覚は、そこに立っている自分が徐々に恥ずかしいと思えるほどの苦痛に変化していった…

対等になりたい欲求。
何かを自覚し、何かを変え、克服しなければ、そうはならない…

そう言えば、昨夜の打上げで、ありがたい指摘を数名の方からいただいた。
酒も入っていたからその言葉は歯に絹着せぬストレートな表現だった。
技術的な事や精神的な事云々…
自覚のある内容もあれば、薄々気付いていた内容も。
ステージから客の表情や身体の動きを眺めていると凡その評価は想像出来る。
しかも音楽に精通されている方の評価は実に素直に態度にでる。

車の運転中にお腹が痛くなり、トイレのある場所まで神経を集中して我慢する。
そんな生汗の出るような緊張感が背中に走る。


今日、彼等の奏でる音や、態度は自分がKingだと主張していた。
一切客に媚びるような事はない。
何故なら客は演奏やパフォーマンスに満足し飛び跳ねているから。
彼等には客の目的を満たしている自覚があるのだろうと思う。

「僕等の拙い演奏をどうか聴いて下さい、頑張って演奏します」なんてMCを聞いて満足する客などいないからね。

足を運んでくれる方の目的は、感謝や謝罪の言葉をマイクを通して聞くことではないはずだ。

目的を満たしている自覚。
この差はデカイ。

ミラーボールが地味に見える程眩しかった。
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