2015/5/14 僕の思う宝石

娘を迎えに行き、その足で昨夜忘れた携帯を取りに行く。

Open前の駅前にある居酒屋は薄暗く、独特な香りが漂っている。
娘の手を引き恐る恐る店内へ入るが、人の気配はするものの姿は見えない。
僅かに灯りが灯っている厨房の方へ行くと人影を発見。
体格が良く、短髪に髭面で若干強面の男性に事情を説明すると、とても高い声で丁寧な対応をしていただき、無事携帯を回収する事ができた。
やはり人は外見で判断すべきではない、そんな事を考えながら店を出ようとした時、歳の頃は20代前半と思われる女性が一人出勤してきた。
次の瞬間
「あっ!携帯わかりましたか?」
その女性は昨夜何度か僕等の注文を取ってくれた方だった。
数回かつ数秒しか顔を合わせていないのだが、彼女は僕を覚えていたようで、携帯を忘れていた事まで心配してくれていた。

それはそれで、有難いような、恐ろしいような…

僕は深々とお辞儀をして感謝の意を伝え店を出た。

お店を離れると娘が質問をしてきた。
「あの人誰?」
「何で携帯の事知ってるの?」
と、まるで付き合い始めたばかりの彼氏を問い詰めるような勢いに、僕は「やましい事など何もない」そんな言い訳をしていた。

そんな宝石のようなやり取りを今日は記録しておく。

間も無く実がなるね。
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