2015/5/13 毒舌

色々と迷ったけど初モーニングに挑む決意を固める。
庶民が格式に憧れた成れの果ての様な、あの装いを小馬鹿にしていた僕にはそれなりに抵抗がある。
しかも、僕が着ると七五三のようになる事は間違いない。

ただ一点、彼の晴れ舞台である事。それだけがモーニングに袖を通す気持ちにさせてくれる。

古い後輩と酒を呑む。

数年振りに会う彼は乾杯をするやいなや、何かから解放されたかのように、当時の記憶する出来事を喋り始めた。
彼にとって僕の存在はインパクトのある出会いだった様子で、口に物を入れる暇も惜しみ喋る。

僕はこれまでに多くの方々へ散々毒舌を吐いてきた。
その自覚も明確に持っている。
当然、疎ましい存在として扱われる事も承知の上だった。

久しぶりに会う人達は口を揃えて当時の僕にムカついた記憶を話してくれる。

しかし不思議にも、こうやって未だに酒飲みに付き合ってくれる人達もいる。

その人の扱い方次第で毒は時に薬となることもあるようだ。

今夜は店に携帯を忘れてくるほど美味しい酒だった。