2015/2/22 無抵抗

僕らがこの奇妙な造形をしているのは遺伝子のおかげで、どんなに気合を入れても、歯を食いしばっても魚や鳥の形にはならないと言う。

何故そのようなサイクルを残そうとするのか？

生き延びようとする意思らしい。

自分の肉体だけでは限界がある為、遺伝子に刻まれた記憶を次に繋げ、生き延びようとするのだとか。

自分の命より子供の命を守ろうする行為は当にそれにあたる。 

何億年も前から1秒でも長く地球上に生存し続けようとする意思が僕らには刻まれている。

しかし其処には生き延びる戦略や技がいる。

肉体的にもメンタルな部分でもタフでなければならない。

転んだら自分で立ち上がる術を知らなければならない。

遺伝子を分け合うパートナーを掴まなければならない。

自分の遺伝子を宿す生命体を守る力を持たなければならない。

僕らの日常は見渡す限り全てのことが、この事を実現するために設計されている。

政治も経済活動も戦争も音楽も読書も学問も、ファッションやメイクも儀式に宗教に制度、除草や法律やマスも…

全てはそこに繋がる行動だ。

ある、新たな方法論が生き延びる為に有効だと考えられた時、群衆はその方法論へと歩き始める。

そして、ある一定の時間が経過すると口を揃えて「普通は」と言う。

遺伝子に囁かれたら誰も逆らえないんだ。

遺伝子の導くままに