2015/2/21 保護の範囲内

若い頃、宴席が苦手で仕方なかった。
普段話しをする事のない人と話しを弾ませると言った芸当を、僕は持ち合わせていなかった。
嫌々出席し、嫌々お酒に付き合い、終演はまだかと時計を何度も確認する。
宴席が終わると早々と逃げるように帰宅の路につく。
そんな若者だった。
所が、回を重ねていく度に宴席の場で学ぶ事や知る事があり、それが人との関係や仕事に大きく影響していることに気付かせて貰った。

必要な場なんだ。
そう考えるようになっていた。

お酒をお酌して廻る行為や、人前で一言喋る行為、隣席の人のグラスに目を配る神経の使い方や、上位者の上着を預かる術など  etc。

そのどれもが、その席で学び、今恥を掻かずに過ごせている事も事実。

しかし、今僕の目の前にいる若者は、それを学ぼうとしない。

特に信念らしきものを持ち合わせているとは思えないが、指摘をすると「ハイ」と返事が出来ず、「イヤ〜」と自分の感情を相手に押し付けるだけの小児のような振舞いしか持ち合わせていない。

彼等は今「若者」として扱われ、その自分本意で未熟な振舞いに周囲が「若いから仕方ない」と許容してくれてはいるが、数年もしないうちに、その許容は消えてしまう事が分かっていない。
保護された扱いに甘んじているが、時間は刻一刻と経過しているのだ。

その責任は自分で取る事になる。

僕がそうだったように。


飲んでも電車で帰れるようになった。
f:id:chibo-kyu:20150223115727j:plain