2015/2/17 常連客
一人ランチは至ってシンプル。
職場の近くにあるファーストフードに足繁く通う。
注文は毎回同じメニュー。
3年近く通っているとお馴染みさんになってしまう。
ファーストフードのお馴染みさんってどうよって思うが、仕方ない。
今日もスタンダードにランチを決める。
しかし、今日はいつもと違っていた。
注文をすると、レジ係りの女性が僕に話しかけてきた。
いつもありがとうございます。
と言った内容と僕の勤務先などを尋ねるなど、社交辞令的要素ではあったが、突然の会話に僕は戸惑いを覚えた。
ファーストフードの特徴の一つに接客はマニュアル化され、いつ行っても、誰が接客しても同じ対応が徹底されている。
合理的ではあるが、どことなく味気がない。
そんな体質の店で特別な会話が展開された事に、僕はとても幸せな気分になれたのだ。
とても久しぶりに社会から存在を認められた瞬間でもあった。
勝手に疎外感を満喫している日常では、こんな出来事が情緒を安定に導いてくれるのだ。
そう彼女に教えてもらった。
主役はお雛様