2014/9/19 産声

休日の今日は新曲を完成させる予定でいた。
所がそんな僕の予定など娘には関係ない。
朝からズル休みモードに突入し、僕との休日を満喫する気満々だ。
娘の硬い意識に抵抗する理由が見当たらず僕らはその主張を容認する。

僕が部屋の片付けを始めると、娘はPCに向かいYou Tube鑑賞に突入する。
今しかないと悟った僕は娘に部屋に籠もることを伝える。

娘をPCに預け、曲創りを進める。
既に破水して陣痛の自覚もあるが、中々頭を出さない。
ラマーズ法などあらゆる手段を試す。時は満ちた、 次の瞬間。

部屋の扉がゆっくりと開き、そこには娘がたたずみ一言「お腹減った〜」
と、計ったように絶妙な間で襲ってきたその演出は、一瞬にして僕を現実の世界へ引きずり戻した。

そんな格闘をいくつか繰り返し、日が暮れる頃ようやく新曲が産声をあげた。

夜中にバンドの稽古予定だったので、次回LIVEに間に合えばと思い、早速簡単な録音を施しメンバーへ転送する。

スタジオで合わせてみる。
いい曲ができたと自画自賛。
これからが真の意味で楽しい作業が始まる。
其々の愛情が注入され段々と育って行く。
ワクワクして仕方ない。

くたびれて帰宅した親父が、僅かに与えらた時間を惜しみ我子の寝顔を眺めるかのように、僕は寝るのを忘れ何度も何度も新曲を聴きなおしていた。



僕の足に絆創膏を貼ってくれる優しい娘。Loveやね。
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