2014/9/2 妖怪の餌食

僕はポイントカードを作らない。
理由はポイントを貯め僅かな得を感じる事よりも、自ら企業の戦略下に入り、囲い困れ、自由な選択権を奪われる事の方がどうにも耐えがたく、重大な損失をしているように考えてしまう。

娘は今巷で流行っている妖怪に熱をあげている。
子供がアニメを見て、踊りの真似をする。
その姿はなんとも愛らしい。

子供達は友達との重要なコミュニケーションツールとなるため、妖怪達の知識を貯める事が必須となり躍起になる。
自分が興味があるんだと自らを誘導し、錯覚しなければ所謂社会に順応できないのではと言った恐怖を覚える。
又、子供達は他人が手にしていない物を持つ事に誤った優越を覚え、持たない子供達は劣等感を覚える。
そこに優劣を決定する要素など存在しないのだが未成熟な彼等はそこに執着し支配されてしまう。
それは僕等が子供の頃に散々味わってきた悍ましい世界だ。
あの頃の屈辱を果たす様に大人買いに走る人達も存在する始末だ。

子供達の親は我が子にそんな恐怖や劣等感を味わって欲しくないと考え、とどのつまり企業戦略の餌食となっていく。

稀に世相に流されない子供がいる。
彼は自分の興味をそそる物が何かを理解している。
友達や周りの大人から「変わった子供」と分類されても気にもしない。
彼は成熟してない者達がそう評価することを理解している。
優越感も劣等感も恐怖すら彼の中には存在しない。
あるのは自分の欲求だけだ。

娘は今当に自分と社会の接点を探るその渦中に居る。
僕もまた前述の親と同じ餌食なりえる。

娘達を、与えられた物、作られた世界で楽しめているような幻想から解放し、自分で産み出す喜びを沢山味合わせたいと思う。
僕はそんな妖怪に取り憑かれたようだ。


スマホ妖怪に取り憑かれた娘
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