2014/9/1 新学期

この地方では子供達の夏休みが終わり新学期が始まった。
娘も幼稚園が始まるため、朝から準備を進めていた。
ところが、娘は突然泣き出し家に居たいと叫び出す。
「幼稚園に行きたくない」ではなく「家に居たい」だ。
友達に会えることや、運動会の練習の話しを持ち出し、娘のヤル気スイッチを探ってみるが泣き止む気配はない。

なんだか僕にはわかる気がする。

何か抵抗しなければ、このまま楽しい時間を失ってしまうような、おぼろげにこの日が来ることは理解出来ていたが自由を奪われてしまうような。
そんな感情が彼女の中で格闘しているように僕には映った。
そんな泣き方だった。
それが「行きたくない」ではなく「居たい」と自分の中で感じている何かを精一杯正確に僕らに伝える言葉だったのだろう。

家を出る時間が迫ってきている妻は娘の意思に任せると決めたようで、自分の身支度をはじめていた。

僕はもう少し娘の心の中と向き合ってみることにした。
「なんか寂しいね〜。頑張れ、頑張れ」

暫くして娘は折り合いを付ける事が出来たのか、若しくは諦める術を身に付けたのか、自分で靴下を履き、幼稚園バッグを手にして玄関へ向かった。

蝉の鳴き声が遠のき、段々と日が暮れるのが早くなる。
夜になると何処からともなく、虫の声が響き出し、月が近付いてきているように見える。
其々の夏が終わって行くあの感覚を4歳の娘も感じることが出来るように成長していた。

幼稚園から帰宅した娘と二人でチキンラーメンを食べる。
朝からの一連を乗り越えた娘は疲れたのか、間もなくスヤスヤと眠り始めた。

突如僕の前に現れた自由時間は当然自分と向き合う時間に使わせてもらう事にした。

今日は一日お騒がせしたね。
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