2014/8/29 偉大なる母親

昨夜帰宅すると娘が「明日、晴れやけん公園に行こう」とせがんで来た。
僕の情報では雨の予報だったので「明日雨よ」と無邪気に返事をすると娘は「晴れ〜!」と叫びながら目に涙を溜めていた。
考えると僕の休日はこの所雨ばかりで遊びに連れて行けてない。
しかも、海やプールと言った夏の催しはほぼ流れている。
その場凌ぎに僕は「そうやね晴れやね」と娘の微かな希望に同調し、この世に神とやらが居るなら晴れにしてみろと悪態をついてみる。

今朝起きると無情にもシッカリとした雨粒が窓を叩き付けていた。
まぁ神に悪態つけばこんなもんかと、神のくせに器の小さい奴だと居直ったが雨が止むはずもなく…
娘が可哀想ではあるが「偉大なる親父」にも天気を意のままに扱う力はない。
しかし、親父より偉大な母親は周到に代案を用意していた。
代案を用意していた母親の愛情に娘はご満悦。流石日本の母。

帰宅後、一人でスタジオへ行く。
一人稽古は多くのことを自分で自分に制約しなければ成立しない。
満足の行かない演奏に何度も何度も負けそうになる自分が現れる。
音のバランスが悪いのか、声が出ていないのか、タッチが甘いのか…
考えられる不調の可能性をあれこれと調整をする。
一つのアイデアを試してみるが、身の丈に合っていない感じが、らしさを失ってしまうようで却下となる。

ウンザリ感が充満し、未熟さや才能の無さに大敗を認めようとし始めた時、それは突然訪れた。
随分アレンジを悩み、暗礁に乗り上げ、半ば諦め気味となっていた曲に今朝の雨粒の様に降り注ぐ洗礼。
うん、いい感じ。
唄とギターがグルーブしてきた。

忘れぬ様に録音を行い、今日一の収穫を与えてくれた「器の小さい神」に御礼をする。 

 傘が活躍した夏だったね。
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